こんにちは、ちーさんです。
今日から皆さんの【親からの言葉】にまつわるエピソードと料理を紹介していこうと思います。
第一回目は、
【鶏と里芋の煮っ転がし】
母親が自分の畑で収穫した里芋で作ってくれるこの料理が一番好きだと言うSさんのお話。
是非お楽しみください✨
【Sさん】
こんにちは。
思い返してみると、親からもらった言葉は数えきれないほどありますね。今もその沢山を大切にしています。やはり親は偉大です。
その中でも良く思い出して実践している言葉は、
『あなたがが相手の事を好きだったら、相手もあなたの事を好きになってくれるけど、あなたが相手の事を憎しんだり、嫌いに思えば、相手もあなたの事を自然に嫌いになっていく。
だからまずはあなたが相手の事を好きになりなさい。一方通行でも良いの。そうすればいつか自然と人から好かれる人生を送ることが出来るから。』
母親によく言われました。
人生において色々なシーンがありますから、なかなか難しい時もありますが、相手のことが腹立たしくなった時など、ふとこの事を思い出して冷静になります。
【母】
そんな母親は現在入院中です。
昨年の11月から入退院と手術を繰り返し、一時は一命危うしと言う所もありました。この短期間に色々とありまして、その度に本当に大変な思いをしました。特に高齢の母親にとっては苦しい数ヶ月だったと思います。
丁度母親の足が、切断か歩行障害が残る可能性が高いと言われていた時。
ある作曲家さんが、すぐさま曲を贈ってくれたんです。年末から今に至るまで、展開が凄過ぎて気が休まる間もなく時が過ぎたので、頂いた曲を聴いた時、なんだか心からホッとしたのを覚えています。
非常に感動しました。
泣きました。
人を思いやる。
人のことを考えられる。
すぐ出来ることをやる。
なかなか出来るようで出来ません。少なくとも私には欠けている所があります。
上手く言えませんが、ネット社会で気薄な人間関係だとしてもビジネスも成り立ってしまう昨今、でも本当に必要なのはいつの時代もこう言うことなんだと改めて気付かされた瞬間でもありました。
私はピアノの良し悪しなんて全くわかりません。しかし心は伝わってきます。
その心を素直に表現することの大切さを、私も周りの人に伝えられるように努めていこうと思いました。
2度と同じ曲が弾けない作曲家さん。
とてもステキでした。
本当にありがとうございました。
そしてこの前、ようやく母親は退院しました。
病院に迎えに行ったら、ナースステーションにいた全員がエレベーターの前までお見送りしてくれ、驚きました。入院中も母親が好かれる行動をした結果なんだろうって思わず感心してしまった瞬間です。きっと今回の入院中でも皆んなに良くしてもらってるんだろうなと思います。
【お知らせ】
26年の長きに渡り、私の母親が営んでおりました小料理屋ですが、今月3月いっぱいをもちまして暖簾を下ろすこととなりました。
もうご存知の方も多いかと思いますが、ここ数年自分自身の病気と闘いながらの営業でした。そして去年の11月から入退院と手術を繰り返し、体調と年齢を考えての決断となりました。
母親はとにかく負けず嫌い、人に頼る事も好きじゃなく、台風だろうが大雪だろうが来てくれるかもしれないお客さまのために必ずお店を開け続けました。
「売り上げがボウズ(ゼロ)だったらすぐ店は閉める!」と口癖のように言っていましたが、その通り、実は26年間一度もボウズだった事はありません。母親はガラッパチで付き合いづらい所も多々あったかと思いますが、私にとってはそんな母親を誇りに思いますし、何より後ろ指を刺されるような筋の通らない事が大嫌いな人ですから、多くのお客様に愛されるお店であったと思います。
私も地域の皆様に育てて頂きましたので、小料理屋にはとても強い想いがあります。
今回暖簾を下ろす決断をするのにも実は様々なドラマがあり、心配する私と親子喧嘩を数回しました。
しかし、最終的にはお店を愛してくれたお客さんに迷惑をこれ以上かけられないという母親の想いから、今回の大きな決断に至りました。
ただ、手術は繰り返しましたが、色々奇跡的に良い方向へ向かっており、元気になればジッとしていられないタチですので、花見や芋煮会、BBQなどなど沢山連れ回してやって下さい。
まだ終わっていませんが、26年間本当に本当にありがとうございました。
【その後】
お店を辞める事になったことを代理でFacebookに挙げたら、昔は2001年に母親のお店で働いていたアルバイトさん(現在はイギリス在住)からまでも連絡があり、電話やメール、LINEなどなど反響に次ぐ反響で、母親の生き様を見た気がしました。
まさに教え通りの生き方を見せてもらったと言うか。
何かとご心配をして下さいました皆様、そしてお店を愛し続けて下さった皆様、母親に代わりまして深くお礼を申し上げるとともに、何かの折に皆様にお会いできましたら、改めて深くお礼をさせて頂きたいと思います。
本当にありがとうございました。
その大好きな母親が作ってくれる「鶏と里芋の煮っ転がし」が旨いので、皆さん是非作ってみてください。
材料
鶏肉 200g
里芋 20個(中サイズ)
三温糖 15g
醤油 50cc
みりん 50cc
だし汁 400cc
好みによってみりんと三温糖は足してください
作り方
①剥いた里芋は水から一回煮立つまで火を入れる
②沸騰して1分ほど煮立たせ、ザルに開けサッと水洗いをする
この工程を入れることで煮崩れしにくくなり、味も入りやすい!
③鶏肉は一口に切り沸騰したお湯に入れて、一回グルッと菜箸を回して、表面に火を通す(こうする事で余計な油とアクを取る)
④ザルにあけ、サッと表面のアクを水洗いする
⑤再度鍋に里芋と鶏肉を入れ、各調味料を入れ、強火で煮立たせながら泡で具材を煮るように、時々鍋をひっくり返しながら煮る
⑥手早く、グズグズ時間をかけて煮ないのがコツで、金串がスッと通るくらいになって、味も好み(ご飯と食べて、日本酒と食べて超良い感じな味付け)になったら火を止め冷ます
少し濃いなと思うくらいが、里芋を食べた時に丁度良い塩梅になります
味が濃くなりすぎたら、煮たたせたままお水を足して調整して下さい
ポイント
味を含ませようとしてグズグズ煮ると里芋が崩れちゃうからダメだよ!
味が入るのは冷める時だからね!
バックナンバーはこちら✨
https://blog.3compass.net/jbk-itchen
JBK-ITCHEN 第69弾